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追いたくなる恋のサガ②

2011.12.12.21:00


1万ヒット記念フリー小説☆第2段






 追いたくなる恋のサガ/前半戦


 (Side:蓮)

 最初の内は、とにかく理性との戦いだった。

 『TRAGIC MARKER』の撮影期間で、俺の心はますます彼女に依存し、彼女なしには息も出来ない、どうしようもない男になってしまった。

 けれどそれを代償に、俺は過去を乗り越えた。

 そしてクランクアップを間近に控えた頃、映画の撮影が終わったら、彼女に告白しようと覚悟を決めた。



 はずが・・・・。

 タイミングを見定めている間にいつしか始まった彼女からの甘い誘惑を前に俺の理性は崩壊寸前。これはヤバいと口八丁で煙に巻いた。

 あのまま彼女の誘いに乗ってしまえば、男として最低の事をしそうだったから。

 最初、彼女から逃げていたのはそう言う理由だった筈なのに、気がつけば繰り返される彼女からのアプローチが可愛くて、愛しくて、もっと見たいと欲張るようになっていた。

 そんな風にしていると、なんと言うか随分と直接的な告白が多くなった。

 この時になってふと疑いがよぎる。過った時に思わず本人に言ってしまった。

 『ラブミー部への指令ではないのか』と。

 社長なら、『リハビリがてらちょっと誰かに告白してこい』とか『卒業試験だ。蓮の奴を落としてこい』とかいかにも言いそうな気がする。

 一度疑い出すと、それが随分妥当な考えのように思えてきた。

 だいたい、何故俺はラブミー部員・・・愛の欠落者、愛の完全否定者であるあの子の告白を真に受けたのか。自分自身に失望すら覚える。学習したのではなかったか?期待はしないと・・・・(最近はすっかり忘れていたが)。

 愛に飢えているのは俺の方だったってことか?飢え過ぎて、彼女の義務での告白が真実に見えてしまった?それとも彼女の演技力との相乗効果か?

 一番最近の告白では、甘い幻想に耐えきれずにとうとう答えもせずに逃げ出してしまった。
 
 それが彼女にとって『最後』の『決死』の告白であることにも気付かずに。








 (Side:キョーコ)

 私は最近ずっと敦賀さんにアプローチを続けている。

 接触する機会を増やしてみたり、雪花の延長線上のフリをして大胆に触れてみたり、なんとか敦賀さんから『最上キョーコが好き』と言わせようと迫ってみたり。

 駆け引きの仕方なんて分からない私だけど、頑張った甲斐あって敦賀さんからの反応はあった。良好だった。

 ・・・なのに逃げられた。これ、如何に?



 『TRAGIC MARKER』を通して、私は自分の気持ちにも、そして敦賀さんの私に対する気持ちにも気が付いてしまった。

 でも、気が付いた時点ではその気持ちをどうすることも出来なかった。

 カインと雪花を通してあの人の暗部に触れて、今彼に想いを伝えても苦しませるだけだと分かっていたから。

 そしてあの人がB・Jをやり遂げた時、私は乗り越えたんだと思ったの。垣間見えていた、彼の抱える暗闇を。“大切な人は作れない”そう言ったあの日の彼を。

 だから撮影が終わった時、もしかしたら私は彼の“大切な人”になれるんじゃないかって思った。




 でも、幾ら経っても敦賀さんの態度は『先輩』のままだった。

 ・・・・・・・私のこと好きな癖に!

 私が思わずイラッとしても誰も責められないと思うのよね。




 共演した男性に言い寄られて困っていた時、助けに入ってくれた敦賀さんが後から色々言ってきた。

 無防備だとか自覚が足りないだとか、くどくどと『先輩』のオブラートに包んで言い募る彼に、私はとうとう切れてしまった。

 嫉妬しているんでしょうが!!男ならヘタレていないでガツンと言いなさいよ!!

 と。辛抱たまらなくなった、とも言う。

 彼が来ないなら、私から行く!!そう決めて、行動を開始した。

 本当は分かっていたのよ。彼からのアクションばかり期待して動かない。私も同じくらいズルかったって。






 でもそれは・・・・・彼を求めたことは、間違いだったのかもしれない。

 彼はきっと、未だに思っているのだ。“大切な人は作れない”と。今もなお。

 私はただ、彼を悪戯に苦しませてしまっただけなのだ。



 敦賀さんは私がどんなにアプローチしても、ハッキリと想いを伝えても、決して答えてくれることはなかった。

 アプローチしたならハッキリと手ごたえがあるのに、近づきすぎれば誤魔化され、あしらわれ、かわされてしまう。

 昨日、決死の覚悟で発した破廉恥な言葉には逃げられてしまった。

 私の最後の告白。

 思いつく限りの告白を全部するまで諦めない、って。延々と繰り返した行為も、遂に昨日で打ち止め。

 想いに、区切りがついた。・・・・と思いたい。




 § § §




 でも、でもよ!?

 敦賀さんのヘタレ!ダメっ子!!

 押してダメなら引いてみろ、って心算ではなかったのだけど・・・少しも期待していなかったのかと言われれば、そんなことないです。と言うしかない。

 もしかしたら私の告白ラッシュが突然にピタリと止まれば、彼が気にしてくれるかもしれないと考えていた。



 まさか『正真正銘のラブミー部員』だった頃のツケが回り、彼に私の気持ちがちゃんと伝わっていないなどとはこの時、考えもしていなかった。



 敦賀さんにアタックしまくっていた日々が嘘のように、ここ最近の私は静かな毎日を送っている(先日までの日々を騒がしくしていたのは私自身だけど)。

 あの日、最後の告白も失敗に終わった私はいい加減に敦賀さんを諦めることにした。

 あれだけの猛攻でも駄目だったのだ。きっと、これ以上いくら頑張ってもダメなのだ。

 敦賀さんが私のことをどうとも思っていない・・・何て風には思いたくない。あの人が私を好いていてくれるように感じたのが勘違いだった・・・なんて。


 だから諦めることにした、・・・・・と言うのは“一旦”よ“一旦”!!

 私は例の映画撮影ですっかり、彼は彼が抱える苦悩を乗り越えたのだと思っていた。でも違ったから彼は恋愛に前向きになれない、延いては私を受け入れられないのよね?

 な・ら・ば!!

 待とうじゃありませんか!女、最上キョーコ!!ただ待つことも甲斐性と見たり!!




 彼が壁を乗り越えて大切な人を作る準備が出来るそれまでに、彼に相応しいイイ女になってやるのよ!!




 と仕事に打ち込んでいた訳なのだけれど、人とは弱い生き物だ。

 どんなに待っても迎えに来ない母親、全てを捧げても置いて行った幼馴染。

 ただ『待つ』・・・と言うことは、当初考えていたよりもずっとずっと難しいことだった。



「京子ちゃん、この後一緒に食事でもどう?」

 トーク番組でご一緒したタレントの男性に声を掛けられ、それをやんわりと断る。
 相手が自分に下心を持っているのも、それが恐らく“お手軽”な感覚であるのも分かっているから。

 それでもこうして男性に声を掛けられると

(いつまでも待たされると、他の人に靡いちゃいますよ?)

 こんな思考もよぎる。

 今は軽い気持でも、お互いのことを知っていけば想いは降り積もり、確かなものになるかもしれない。

 私があの人のことを知れば知る程、好きになったように。

 進みあぐねてしまった宙ぶらりんの相手よりも、もっと単純に愛を育める人を選ぶのは悪いことなのだろうか?



 ・・・・・・そう思いながらも誘いを断るのは未だ、芽生えたその迷いよりも敦賀さんへの執着が強いからだ。

 軽い気持ちに軽く答える、なんてことは、いくら迷っていても私には出来ない。



 そんな時だった。“彼”からの告白を受けたのは。






2011/12/12 常葉
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