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2.君が呼んでいる気がして

2012.02.10.06:00

(改)



 (Side:リック)

ただ、笑って欲しかったんだ。

根本的なところで温室育ちと言ってしまえばそれまでだろうが、争いとか、暴力とか、人を押しのける力があるのにそれを使うのを厭う、不器用なくらいに優しいアイツに。

切っ掛けまでは知らなかった。あれほどまでに嫌っていた他人を傷つける力でもって喧嘩に明け暮れるようになった訳を。

俺に分かったのは、他者を傷つければ傷つける程にアイツ自身が傷ついているということだけで。

抑圧されていた残酷さも、傷つきやすく繊細な心も、大切な物の為に必死に耐え忍んでいた優しさも、何一つかけることなくアイツ自身のものだった。

俺にとってはアイツをリンチしていた奴らなんざ半殺しにあおうがどうでもいい。ただ、あんな屑ども相手にさえ、傷つけるたびにアイツが苦しむのが見ていられなかった。

腕っぷしも強くて、勘も妙に冴えていて、そのうえ頭の回転だって早い。

そのくせぽわぽわふわふわとどこか抜けている所があって、自己防衛なのか何なのか変なところで鈍感だ。

アイツは、自分が傷ついている事に気が付いていない。

抑圧されていた敵意や破壊衝動が解放されたことで、自身が暴力に喜びを覚える人間だとすら思っている。いや、自身のそんな一面にしか目が行っていない。




なぁ、気付いていないんだろう?

全員叩きのめして、半殺しにして、血の海にたたずむお前がどんな顔をしているのか。返り血しか浴びていないはずのお前の手のひらから、なぜお前自身の血が流れているのか。

ただ、一度踏みちがえて、それが許せないんだろう?
潔癖で、完璧主義で、それはお前の良さかもしれない。でも一つだけ大事なものが欠けているってなぜ気付かない。

反省したなら許していいんだ。本気で後悔した人間を、お前は責めたりしないだろう?それを、お前自身にも当てはめていいんだって、どうしたら、お前は分かってくれたんだろうか。


気が付いていたか?俺もあいつ等みたいにお前に嫉妬していたんだ。

いつか行った夏のガーデンパーティーで、突然お前をど突いた事があっただろう。あれは嫉妬していたんだ。

太陽の下で光を浴びるお前は、この世の何者よりも美しかった。あのティナまでもがお前に見惚れていた。

あのティナがだぞ?それくらいお前は綺麗だったんだ。それほどまでにお前には日の光が似合っているんだ。

お前はいつまでそうしているんだ。お前に似合う人工の光なんて、きっと撮影セットの中にしかないぞ。

病院の照明なんかじゃお前の両親ご自慢のその美貌も半減だ。

なぁ、もしも、もしも、俺が無理にお前に関わろうとなんてしなければ・・・・・・・いや・・・・・こんなこと言ったら俺がど突かれるな。

また来るよ。

クオン。






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