スポンサーサイト

--.--.--.--:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

web拍手 by FC2

4.君が呼んでいる気がして

2012.02.11.06:00

(改)






 (Side:キョーコ)

コーンの森へ行くのは何年振りだろう。

あの日、コーンとお別れした後も何度も森へ足を運んだ。せせらぎの音が近づくたびに、ひょっこりコーンが現れるような気がして。

『キョーコちゃん、また泣いていたの?』

そう言って、困ったように笑って、また一緒に遊んでくれるんじゃないかって思ってた。
でも、何度森に行っても二度とコーンは現れなかった。

ようやく、もうコーンには会えないんだって気付いて、悲しくて、悲しくて涙が止まらなかった。
コーンに貰った魔法の石に力を借りたのもこの時が最初。

それから私はコーンの森へは行かなくなった。泣き場所を探さなくても、悲しみは魔法の石が吸い取ってくれる。碧い石を光にかざせば、コーンとの楽しい思い出が胸を満たしてくれる。

だから、誰もいないことを確認するために森へ行くことはなくなった。



あれから6年経って、私も中学1年生になった。
私とショーちゃんの通う中学校は進学にも力を入れていて、入学したての頃から進路指導の時間がとられている。
進路指導の先生は志望校どころか近隣のどこの高校だって余裕だと言ってくださったけれど、それではダメ。

女将さんに言われ、そして私自身の希望もあって、ショーちゃんの進学校に受験先を合わせた。
けれどこれはきっと母の希望には全く添っていないに違いない。馬鹿な私に対して、そもそも母が何らかの期待を抱いているかすら、分からないけれど。
もしも全国でトップレベルの高校を受験し、合格したならば母も私に笑いかけてくれるのかもしれない。

でも、もしもそれでもダメだったら?私はショーちゃんすらいない学校でやって行けるの?

そう考えると、私にはショーちゃんと同じ高校を目指す以外の選択肢はなくなっていた。
だからせめて、100点を取りたかった。100点をとって、とり続けて、母に認めて貰いたかった。

それなのに私はやっぱり馬鹿で、中学生になってから増えた教科の中の1つですら100点をとり続けることはできなかった。




その日の朝は不思議な目覚めだった。何かが起こる予感が、ひしひしとしていた。

夏の日差しの温度とか、ゆるやかに吹く風が運ぶ緑の匂いだとか、不思議と全てに既視感がある。

でも、折角いい予感がしていたのに、返却されたテストの結果は散々で、連続100点記録は塗り替えられず仕舞い。いつも以上に落ち込んでしまう。

旅館で私に宛がわれている一室で、コーンの石に元気づけて貰おうと思った。でも今日はとても日差しが綺麗だから、久々に森の木漏れ日の中で輝くこの石を見てみたいと考えた。


私は旅館を抜け出して森へ向かった。そして驚いた。

6年もの間通っていなかったのに、森の妖精たちが私をあの河原へと導いてくれる。あの日以来、この森では見えなくなってしまった妖精たちが!!

そうだ。この森の・・・・・優しい空気。

コーンがいなくなってしまってから感じる事の出来なくなったそれを全身で感じていた。
ドキドキして心臓が壊れてしまいそう。ショーちゃんのライブの時よりずっと鼓動が速くなって、頭がクラクラしてくる。

でも、私は歩き続けた。ううん、気がついた時には走り出していた。

予感がする!

あの、茂みを抜けた向こうには―――――――――――

あなたがいる!!







「こんにちは、キョーコちゃん」





「…―――――…コーンっ!!!」



私は抱きついた。

記憶のなかよりも、ずっと大きく成長した妖精の王子様に。
 



戻る 目次 進む

関連記事
web拍手 by FC2
※サイト案内※
●当サイトにはスキビの考察および二次創作文が展示されています。それに伴い、展示物には性描写・暴力表現を含まれるものがあります。
●取り扱いカップリングは蓮×キョーコ、傾向は「両片想い」「ハッピーエンド」です。
●また、管理人は考察上、あるいは二次創作文中の設定上、登場人物に対し批判的、否定的な扱いをする場合があります。
●作中のあらゆる事項はフィクションであり、現実に即さないものが多く含まれます。
※性描写・暴力表現を含む作品は年齢制限を設けていますので、高校生含む18歳未満の方は閲覧しないでください。
最新記事
カテゴリ
絵 (1)
最新コメント
検索フォーム
カウンター
管理人
Author:常葉(トキワ)

どうぞごゆるりとお楽しみ下さいませ。
度々細かな変更はありますが、温かく見守って頂けると幸いです。

バナーとか作ってみたり。
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。