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8.君が呼んでいる気がして

2012.02.20.23:00

(改)




 (Side:キョーコ)

今日は、クオンのことを考えると変にドキドキした。
嬉しいのに照れくさくて、会いたいのに恥ずかしい。きっとクオンが昨日あんな事をしたせいだわ。だって誰かの唇が自分の顔に触れた事なんて今までなかったんだもの。

夢現の出来事を現実だと理解したのは、旅館で宛がわれている部屋に戻り、更に湯船につかって後は寝るだけ、となった時だった。
眠りかけの頃の会話は、自分が何を言ったのかは思い出せないが、クオンの言葉はしっかりと頭に残っていた。そして、彼がしたことも。

深い意味はないわよね、友達だもの。クオンは妖精で、だから、私の涙を食べてくれただけ。
やだ!クオンお腹壊したりしてないかしら!?

思考を横道に逸らしながら湿った土の匂いのする森を進む。そうしなければ会いたい気持ちが、逃げ出したい羞恥心に負けてしまいそうだったから。

「こんにちは、キョーコちゃん。体調は崩してない?」
「こんにちは、クオン!私、体の頑丈さには自信があるの、平気よ!」

わざとらしくならないように、元気に振る舞う。

「本当に?」
「本当よ」
「でも、昨日はあのまま眠ってしまったし・・・・」
「それはクオンの身体がひんやりしてて気持ちよかったからで、そう!ほら、お化けの木の中って少し暑かったから!」

そうよそうよ、別に泣きつかれたとかクオンに甘え切ってたからとかじゃないのよ。

「ふーん。ところで今日は暑いね」
「そうね―――――って、なに!?」

クオンは突然私をギュッと抱きしめた。

「んー暑いなら俺が冷ましてあげようと思って」

は、破廉恥だわ!そりゃ勢いで抱きついちゃったり、慰めてもらう時に抱きしめてもらったりとか、した。しましたけど!
だ、だからってこんな風に平時から男女がべたべたとするものでは・・・。
あれ、でも・・・・・妖精だから、いいのかしら?でも男の子だし?

「えーと、えーと・・・・あ!ほら、クオンは私とくっついてると暑いでしょう?」

だから離れて~~。

「うん。だからこのまま俺を暖めてね、キョーコちゃん」

そう言ってクオンは私を抱き上げて膝の上にのっけて座ってしまった。

「え!今のお姫様だっこ!?・・・・違う!そうじゃなくて、クオン、降ろして!私重いよ!?」

「えー。キョーコちゃん、軽いよ?そもそも俺とキョーコちゃんじゃ体格がぜんぜん違うしね」

むしろ、そうだからこそ早く下ろして欲しいのに。
チラリとクオンの腕を見た。

筋肉は無駄なくついているが、優美なその曲線は細身の印象を受けた。しかしすぐ隣の自分の腕と比べると太さが何回りも違う。
腕を辿って後ろを振り向けばクオンの綺麗な顔があって、この腕の持ち主が彼であることは間違いないのに、何だか信じられない。

そう言えばその顔だって、人間離れした高貴な美しさで昔の面影を感じるが、それは中性的な美よりも、精悍さや凛々しさが前面に出ていた。

4つしか違わない筈なのに、彼はすっかり大人の身体をしていた。

だから、恥ずかしいのは中学生にもなって抱っこされて喜んでいる自分じゃなくて――それも少しあるけれど――、異性への羞恥心からのものだ。

でもそれを妖精のクオンに言うのは憚られて、違う言葉で濁すしかなかった。

「そ、そうだわ!なんでそんなに大きくなっちゃったのよ。16歳でしょ?4つしか違わないのに・・・・置いて行かれちゃいそうで、やだ」

誤魔化すためのはずのその言葉は、思わずこぼれた本音に違いなかった。




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Author:常葉(トキワ)

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