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11.君が呼んでいる気がして

2012.07.03.21:00





(Side:キョーコ)

何でなのかな?

一日一時間一分、クオンと過ごすたび、心の中がクオンで一杯になっていく。足りなかった所がきゅっと満たされて、生きてるって感じがした。

「あのね、妖精さんは英語ってわかる?」

ショーちゃんのクラスから出た宿題は、私のクラスじゃまだやっていない範囲で、どうしてもわからないところがあった。
今までなら予習もかなり余裕を持ってやっていたけど、今は復習をするだけで精一杯。クオンと遊んでばかりいる私が悪いんだけど。

「宿題?」

木陰でハンバーグ国王様と女王様とおぼしき石を机がわりに並べ、プリントを見せた。ショーちゃんのものだから汚れてしまわないように、王様の方には下敷きを、女王様の方にはハンカチを敷いてある。

クオンは私の分からなかった所も丁寧に解説付きでさらさらと解いてしまった。
私はクオンの解説のもとあっという間に答えの埋まったノートを閉じた。

「すごいわクオンっ!妖精の王子様って何でもできるのね!!」
「何でもか・・・出来たらいいんだけどね。・・・・・あれ、キョーコちゃん、それ、キョーコちゃんの宿題じゃないの?」

ノートの表紙に書かれた名前を見てクオンが言った。
私は事情を話した。

「・・・・それは、彼のためを思うなら良くないことだよ。これからは断わった方がいい」
「うん・・・・分かってるんだけど、でも・・・・」

クオンの言うとおりだった。でも、断って嫌われてしまったらどうしよう。最近唯でさえ掃除当番を断っているのに。

「断って、嫌われるのが怖い?」

心も体もギクリとした。

「キョーコちゃんの王子様は、キョーコちゃんが相手のことを思って言っているって分からないような人間なの?」

ふるふると首を振った。ショーちゃんならきっと分かってくれる。

「なら、大丈夫だよ。万が一だめでも、キョーコちゃんには俺がいるでしょう?」

そのとき、心の奥で花が咲きほこったのを見た。澄んだ鐘の音が響くのを聞いた。甘く優しい香りが鼻腔をくすぐって、柔らかな真綿にくるまれる。

もう、引き返せない。

漠然とそう思った。


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