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15.君が呼んでいる気がして

2012.07.05.21:59





(Side:キョーコ)

 ばかだばかだばかだ・・・ばかだっ。

 何様のつもりなのキョーコ?
 アンタはクオンに何をしたの?
 ずっと傍にいてくれるって言ったクオンに、一体何を言ったの?


 夏の日の妖精は森の奥深くへと消えて、その日、ついに見つけることは出来なかった。
 まるで、最初から誰もいなかったみたいに。
 最後に見たクオンの顔が頭を離れない・・・・。



 クオンに魔法をかけられていた。ちがう、私が勝手にかかっていたの。―――――恋の魔法に。
 クオンに恋をしてしまったの。妖精を愛するなんて不毛なことをしちゃったの。気付かないふりをしていたのに、私が好きなのはずっとショーちゃんだけのはずだったのに。

 だからかな。

 本当は、ショーちゃんの誘いを受ける気なんてなかった。
 クオンに再会してから、そしてずっとここにいてくれるって言ってくれた日から、なんだか全部が・・・・・もういいやって、気持ちになっていた。

 でもそれは“どうでもいい”ってことじゃなくて、クオンがいるから、失敗しても大丈夫。そういう気持ち。

 そうしたら何だか勉強が楽しくなって、そうしたら、今まで取り続けられなかった100点がとれるようになって・・・・・・お母さんが!お母さんが褒めてくれたっ!!

 全国共通テストで1位を取った、全部満点で取れたその時、お母さんにどうしても教えたくて、自分から会いに行ったの。

 そうしたら、お家にお母さんがいて、“ただいま“に“お帰り“って返してくれた。
 それで勇気を出して、返却されたテストと成績表を見せたの。1位になったんだって教えたわ。
 そうしたら、知ってるわ、って!学校から電話が来たのよ、って!・・・・・・・さすが私の娘だわ、たくさん頑張ったのね・・・・・・・って!!

 泣いちゃったの。ギュって抱きしめてくれて、こんなの初めてって思ったのに、そう、ずっと小さな頃は、こうして抱きしめて貰っていた気がした。

 私からもギュってしたら、もっとギュってしてくれて、ああ、会いに来てよかったって思ったの。

 それからお母さんは言った。
 これからは一緒に暮らせること。1位を取ったご褒美を上げるから、お願い事を考えておくようにってこと。
 一緒に暮らせる以上のご褒美はないって言ったけど、それでも考えておきないさいって言われた。

 だからショーちゃんと行けないことは、誘われた時には決まっていた。

 少し前の私ならきっと頷いていた。たとえお母さんが私を褒めてくれるようになっていたとしても。
 だって信じられないから。また、手を話されるのが怖いから。

 でも今はクオンがいる。

 私はショーちゃんが一番と嘯きながら、ずっとずっとお母さんこそが不動の一番だった。そしてその手をとる勇気と“この場所”そのものへの執着はクオンが齎したものだった。

 なのに、ショーちゃんへは言葉を濁して、クオンを試した。

 ・・・・たくさんの気持ちが溢れて、どうすればいいか分からなくなっていた。
 12年の人生の中で、こんなに誰かに思われた経験なんて無かったから。
 クオンに優しくされて、お母さんに優しくされて、ショーちゃんに必要とされて。幸せすぎて怖かった。態度で示される愛を、誰かに言葉にして欲しかった。それにクオンを利用しようと、していた。

 打算とか、二股の恋心とか、そのくせお母さんが一番好きなこととか。
 全部全部あやまりたい。
 クオンに―――――――会いたい。



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