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0'.君が呼んでいる気がして

2012.07.07.23:27





(Side:キョーコ)

呼ぶ、と言うのは求めるということなのかもしれない。
何度も繰り返し母を、ショーちゃんを、クオンを呼んだ。いつも振り向いてくれたのはクオンだった。




木々の隙間から月の光が差す頃、自らに誓う為に呟く。

「今度は、私から会いに行く」

クオンのいたあたりを、そして共に過ごした場所を見おさめてから森を出た。

家に帰るとお母さんに帰りの遅かったことを心配されて、また涙が止まらなくなった。
気遣わしげに触れてくる母の手は暖かくて、彼の手の冷たさがことさら思い出された。

「あのね、お母さん。私、ご褒美のお願い事、決まったよ」

クオンが話してくれた、彼のものがたり。
優しい妖精の王子様の正体は、自分と同じように悩み苦しむただの人間だった。でもやっぱり、自分にとっては優しい王子様だった。

6歳の夏、羽が欲しいと何度も願った。コーンと一緒に空を飛ぶ練習をしたかったから。コーンが去った後も羽よ生えてと願った。その羽で妖精界まで飛んで行きたかったから。

でもコーンは、クオンは人間だった。それなら自分にも会いに行くことが出来る。私の声に応えて会いに来てくれたクオンに、今度は自分から会いに行こうと思った。

手掛かりはたくさんある。フルネームに、話の中で出てきた出自や町の名前。
クオンの墓に参りたい。せめて彼の生まれ育った場所に行きたい

だから、

「私、アメリカに行きたいの」

お母さん、お願い。一生で一度の我儘を、どうか叶えて下さい。


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Author:常葉(トキワ)

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