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『If』彼女が彼を恨まなかったらVer.U

2011.04.22.16:00

 
注意:この記事は「もしも」を前提としたパラレル要素を含む、落ちなし、続きなしの小ネタです。
注意:蓮キョです、そしてVer.Uの『U』は「後ろ向き」「鬱」のUです。あと、尚君が酷い子のポジションです。あと蓮が泣いてます。




『If』彼女が彼を恨まなかったらVer.U


その日、俺は、青い石をもった子猫を拾った。

いや、俺が拾われたのだろうか。

夕立に濡れそぼつ、俺だけの、子猫に。





24時間『他人≪敦賀蓮≫』を演じて、ときどき、どうしようもなくなる。

どんな自戒も自制も忘れて『無』になる。

そんな瞬間を、求めてしまう。



そこは、俺の秘密の場所。

川こそないけれど、唯一捨てきれず残してしまった『俺』の思い出、京都で夏をすごしたあの森によく似た場所。

都心の中にひっそり存在するそこは、少し道をそれればたちまち人の気配などなくなる。


久しぶりに半日オフを貰ったとき、俺の精神は既に限界を迎えていた。

激しく降りしきる夕立にまぎれ、極度のストレスによるものだろう。

止めることもできず涙があふれた。

早く、森の奥へ。

その先に、あの子は、いないけれど。



草木を踏み分けた先、雨の中で光るものがある。

それが俺に先客の存在を教えた。

しかし、俺は引きかえそうなどとは思わなかった。

それが、現実であるはずはないし、現実であるならなおのこと引き返そうとは思わない。

大きな木の下にうずくまる少女がいた。青い、石を持った少女が。

俺の存在に気づき、表情もなく彼女が顔を上げる。


泣いているのは俺で、先客は彼女。

あの時とは逆だ。

だから、俺が挨拶しないとね?


「久しぶり、俺はクオン。君は、妖精―――――みたいに可愛い、キョーコちゃんだね?」

「こーん」

表情のないまま、彼女はぽろぽろと泣いた。

ふらっと立ちあがり、彼女が俺に触れる。

抱きしめあって、夕立が過ぎるまでそうして俺たちは泣いていた。

「幻じゃない」

そう、呟いたのは彼女だったけれど、俺の想いそのものだった。




拾った子猫は、嘗ての俺のように壊れかけていた。

家に連れ帰り、服を着たまま一緒に風呂に入った。車中彼女はずっと黙っていたけれど、湯船の温かさと人肌の心地よさにか、訥々と話を聞かせてくれた。


要約すると、例の『ショーちゃん』と一緒に上京して、彼のために働いて、大変だけれど楽しく過ごしていたらしい。ところがある時、彼が自分を家政婦としか思っていなことを知ってしまった。

それでも彼女は今も、身を粉にして『ショーちゃん』の為に働き続けている。

彼女はその話をする間、何度も自分が悪い、ショーちゃんは悪くない、私がいけないの、と繰り返していた。


そして最後にぽとっと、

「でも、もう楽しくないの」

と言った。

彼女は自分が何に傷ついているのか、あるいは傷ついていることすら分からない様子だった。

子供の時の彼女は、いつも母親の心ない態度に傷ついて泣いていたけれど、今の彼女はもう、傷つきすぎて傷にすら気付けなくなってしまったのかもしれない。


全て話を終えたときには彼女も鈍くではあるが自分で動けるようになっていた。

湯の中に彼女を残し、自分は脱衣所で素早く濡れた服を脱ぎ、水気をぬぐうと、二人分の着替えを取りに寝室へと向かった。




その日俺と彼女は久しぶりに人の温もりを感じて眠った。

穏やかな夜だった。



朝起きて、目を覚ましても彼女はまだ腕の中にいた。

心も体も疲れ切っていたのだろう。

そんな彼女に縋ってしまった自分が少し情けなくなった。


そのとき、彼女の瞼が震えた。ちょっとドキッとする。

(まさか、昨日のこと、覚えてないなんてないよな?)



開いた瞼の間から、合わさった彼女と俺の視線。

「おはようぅ、黒いコーン」

半分寝ぼけたように彼女が言った。

「おはよう、キョーコちゃん」

『黒い』って見た目のことだよな?

まさか荒んでしまった俺の心を言い当ててなら、凹むしかない。

と思いながら彼女の覚醒を待ってみるが、彼女はまだ半分夢の世界だった。

その彼女が俺の頬に手を伸ばす。

「昨日、ごめんね。私、自分のことばっかり。・・・これじゃあ、ショーちゃんにあんなこと言われても仕方ない」

「そんなことないよ」

彼女は首を振る。

「ずっと、思ってたの、もっとあの時、コーンの話聞いてあげればよかったって、飛べないって、あんなに辛そうで・・・・・・それに、コーン泣いてたでしょう?こんなに黒くなってしまって、呪われてしまったのね・・・?私に魔法が使えたら、すぐにだって解いてあげるのに・・・。」

話しながら彼女の目からはぼろぼろと雫が流れていった。

彼女の涙を拭いながら、あぁ寝ぼけて、妖精や魔法を信じていた頃に心が戻っているんだな。と頭の片隅で考えていた。



俺と彼女の再会で始まった、この物語。

これは、俺が彼女に魔法をかけるまでの物語。

そして、彼女が俺の呪いを解いてくれるまでの物語。


結末はハッピーエンド。

そしてそれは末長く続く幸せな物語の始まり。





≪テーマは傷の舐め愛≫
蓮もキョーコも、一人で立とうとしないで、傷を舐めあって、ついでに愛を育んで、心を癒していけばいいと思いますマル
敦賀様に於かれましては、飼い主の責任として、「よその人(不破氏)の言うことを聞いちゃいけません」ってキョコに教えてあげて下さい。そしてキョーコちゃんのペットとして彼女に甘えてください。
飼い主キョーコちゃんは手負いの獣な黒いコーンに「なんでも一人で頑張っちゃだめです。あと、ご飯食べてください」って躾けてあげて下さい。そして飼い主蓮様に飼い猫よろしく甘えてわがまま言って構い倒してもらってください。

そんな思いを込めて書きました。


どっとはらい。


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Author:常葉(トキワ)

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度々細かな変更はありますが、温かく見守って頂けると幸いです。

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