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『綻び』と言う名の台本

2012.07.15.22:00


小ネタです。
最近の本誌の敦賀さんとキョーコさんの関係について危惧することを、フィーリングで書いてみた。




なぜ、支えあえなかったのだろう。

最初は頼られるのが嬉しかった。頼ってくれなければ腹を立てもした。

それがいつしか、俺ばかりが彼女に寄り掛かるようになって…。

最初は些細なものだった。少なくとも、彼女への負担は。
俺が勝手に助けられて、救われて。それは彼女の関知しないところだった。

それがいつからか…そう、俺が彼女に弱さを見せた時、彼女は俺を支えなければならないと使命感を抱いてしまった。それは彼女を決して逃すまいとする俺の意識と絡み合い、鎖は徐々に二人の周りを取り巻いていった。

本当は、もっと優しく支えあえたはずなのに。ゆっくりと互いの距離を測りながら、比重を増やして行ったなら、あるいはそうあれたかもしれないのに。
互いを支え合うことで、自信の価値を認めて、心を癒すこともできたはずなのに。

血と汚泥にまみれて他人の何倍も重くなった体で縋りついた。ただでさえ自分自身の荷を背負う彼女に。

そうして、気が付けば彼女を引き摺り倒していた。自らの苦しみに気を取られ、助かりたい一心の俺はそうすることを止められなかった。

彼女を転がし、押さえつけ、俺は安堵した。立ち上がることもできない彼女は、ゆえに俺から離れることは出来ないからだ。

でも俺は、なにも分かっていなかった。彼女がどれほど強く真摯な思いで、俺を救いたいと思ってくれていたのか。
それを敢えてぶち壊すその行いが、どれ程彼女を傷つけ、打ちのめすのか。

俺は、彼女を……壊してしまった。



「……何なんですか? この台本は」

俺は今しがた渡された台本をぴしゃりと閉じた。表紙には『綻び』とタイトルが印字されている。

「おいおい、敦賀蓮がそんなおっかねー顔するんじゃねーよ」
「したくもなりますよ…」

苦しみのあまり女に救いを求めた男。男を救おうとした女。しかし神の悪戯か、すれ違いと誤解から男は女を“壊して”しまうのだ。
まるで自身と大切な少女の未来を暗示するような内容の台本に、眉をひそめずにはいられなかった。

「これは例の映画撮影が終わった後の単発ドラマの台本だ。今渡しておいた方がお前には…と言うよりも最上君にとっては良いと思ってな」

フンと鼻を鳴らして言い放った事務所社長の言葉に、自分の顔が強張るのを自覚した。
社長は“弁えろ”と、そう言いたいのかもしれない。
俺が最上さんの存在やあり方に“勝手に”救われることと、彼女に助けを求めることは違う。
彼女はお守りだ。ただそこにいるだけの存在であり、心のよりどころではあっても、縋りつく相手ではない。
社長が言いたいのはそういうことなのだろう。
だから俺は言った。自身に深く刻み込むためにも。

「彼女はあくまでお守りであって、決してSPやガードマンでないことは分かっていますよ」

最上さんにその身を犠牲にさせてまで縋ってはいけない。

「どうだかな。お守りだって分かってんなら、もっと守ってもらえばどうだ? ここをな」

そう言って社長は俺の心臓のあたりを指した。

「男はどいつもこいつも物理的な形を求めやがる。苦しいのはそんなもんじゃねーっていい加減に自覚すればいいものを」

ドキリとした。兄妹の生活の中で直接温もりを求めた自分を見透かされていると思った。それが些細な切っ掛けでエスカレートする危険を孕んでいると言うことも。

俺はただ、

「そうです、ね」

そう応えることしかできなかった。

“苦しいのはそんなものじゃない”

その通りだ。物理的な距離をいくら近づけても、心を隠したままでは本当の救いなどない。それどころか、体ばかりを求めたしっぺ返しは必ず受けることになるだろう。このドラマの男のように。



ローリィの話を大真面目に聞き、自身の即物的な態度に恥じ入る蓮。
彼は知らない。
ローリィが語ったことがゲームのキャラクター、誠一の話であることを。


目次
(全く、心と心の交わりもしねーで!! 最近の恋愛シュミレーションはどうなってんだ!!)by.ローリィ
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