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完璧な人生の歩み方~手段を選ばない漢(1)~

2012.10.10.12:04

注意:例のごとくクオンもキョーコもぶっ飛んでいます。



「ふ、ふふふ・・・・・・フハハハハハハーーーッ!! 勝てる、これなら勝てる!!」

 どっしりとした作りの日本家屋。その一室で俺は世界征服でも企んでいそうな笑い声を響かせた。
 それも仕方の無いことだよ。なんと言っても俺は年端もいかない10歳の少年なのだから、時には自らの衝動を押さえきれないこともあるんだ。微笑ましいものだろう?

 証拠に、先ほどまで俺にメイクを施してくれていたグランマはそんな様子をニコニコと見守っている。

 俺は一つ咳払いをして部屋の一角に置かれた姿見に向かった。

「私クオコ、よろしくね☆」

 よしよし。ちゃんと女の子ヴォイスだ。
 キョーコに会えない10年間をやり過ごすために彼女の声真似をして一人遊びした経験がこんなところで生きてくるとは。
 俺がニンマリと笑うのとは裏腹に、鏡の中の人物は上品に微笑む。うんうん完璧。

 鏡に映るのはまさにエレガントかつハイセンスな美少女だ。

 白皙の肌にパッチリとした碧い瞳。それを縁取る長い睫毛。薔薇の花弁のように繊細な唇。恥じらい深くも愛らしく染まる頬の色。 極めつけは波打つ長い銀髪で、そこにいるのはまさに目にも涼やかな雪の精霊。

 グッジョブだよグランマ!

「あらあら、とっても楽しそうねクオン」
「グランマのお陰よ、ありがとう! でもクオンじゃなくて“クオコ”よ? ク・オ・コ!」

 俺はそう言って唇を尖らせながらクルリとその場で一回転した。繊細なレースのあしらわれた白いワンピースがふわりと浮かぶ。

「うふふ。そうだったわね、クオコちゃん。とっても可愛らしくて天使様のようよ」
「本当? キョーコちゃんは気に入ってくれるかな?」

 今度は俺もニッコリ笑って返事をした。



 当然ながら俺は別に女装に目覚めたわけじゃない。

 全ては俺の前世のライバル琴南奏江を出し抜くため。
 琴南奏江と言えば前世においてキョーコの『初めての同性の友人』であり、『初めての親友』の座に輝いた女性だ。

 羨ましい・・・・・・ぶっちゃけて言うと妬ましい。

 処女信仰はないが、それら『初めて』という名の称号を手に入れることでキョーコの寵愛を受けられるというなら話は別。是非とも欲しいよね、キョーコの『初めて』。

 という訳で俺は女の子になることにした。

 大丈夫。SPを撒くために女の子に変装したこともあるし、性別の存在しない役を演じたこともある。

 そうして自分にクオコ(キョー“コ”とお揃いだ)という名を与え、バッチリ美少女に変身した今、俺はもう無敵のはずだ。琴南さんにだって負ける気がしない。

「それじゃあグランマ、行ってきます!」

 白い日傘をくるくる回す。

「キョーコちゃんの初めて♪ キョーコちゃんの初めて♪」

 初めての同性の友人を喜ぶキョーコとのあんな事やこんな事を妄想しながら、俺は踊り出したいような気分で可愛いあの子の住む家に向かった。



 § § §



 クオンがやって来る一番楽しみなこの時間、訪問客を告げたインターホンにすぐさま反応して私は急いで玄関扉を開けた。その先。

「初めましてキョーコちゃん、わたしクオコ! よろしくね?」

 真夏の京都(自宅)に突如として降臨めされた雪の女神様にどう反応すればいいのか見当も付かないまま、暫くポカンとして彼女(仮)を見つめた。半ば見惚れていたのもありますとも、ええ。

「やだ、そんなに見つめられると恥ずかしいよ。でもキョーコちゃんとなら幾らでも見つめ合っていたいかも?」

 そう言って女神様(仮)はその水晶のように煌めく瞳で私を見つめ返す。本当に綺麗・・・・って、そうじゃなくて! この、どことなく感じる既視感は・・・。

「くおん・・・・・・・・・・?」
「ク・オ・コ! キョーコちゃんとお友達になるために会いに来たの! 私と一緒にお出かけしてくれる?」

 クオン・・・いいえ、クオコちゃんがノンノンと人差し指を振った。ぶりっこぶりっこしいそんな仕草も典雅かつコケティッシュであり、私は思わずキュンとする。―――だって可愛いんだもの!

 こんな美少女の知り合いを私は持たない。しかし、この美しさに勝るとも劣らない美少年の知り合いなら・・・一人、いる。

 “ノンノン“とか言っていたがどう考えてもクオンだ。
 しかし目の前にいるのはどこをどう見ても小さな女神様。男だと考える方が可笑しいわ・・・。

 そこまで考えた時、私はハッとする。その真実に辿り着いてしまったのだ。

「クオコちゃん、中に入ってお茶を飲んでいてくれる? 直ぐに準備するから」

 動揺を表に出さないように気をつけて、身長差にもめげずクオコちゃんをエスコートした。



 驚きでドクドクと脈打つ心臓を片手で押さえながら出かける準備をするためにタンスの中を漁る。
 真実を知ってしまった今、今着ている服装で出かけられるわけ無いじゃない。

「全く気がつかなかったわ・・・・・・まさかクオンが女の子だったなんて!!!」

 前世でも気付かなかった。でも世の中には背の高い女の人だっているし、敦賀さんの上半身裸を見たこともあるが、鍛えれば胸の脂肪を筋肉へと変えることだって出来る。

 そもそも考えてみれば可笑しな点はいくつもあった。あの紳士な敦賀さんが私相手とはいえ女性と同じベッドで寝たり、一緒に風呂に入るか問うなんて。

 でもようやく分かった。敦賀さんは女性であったから、そんなことは端からなんの問題も無かったのよ。

「何故男のふりをしていたかは分からないけど・・・男性とは思えないほど綺麗な訳よね。敦賀さんは相当鍛えていたから男性みたいな体つきになっていただけなんだわ」

 選んだ服を着込み、最低限しかそろっていないメイク道具で試行錯誤しながらも出来るだけ手早く化粧をしていく。こんな事なら子供にメイクなんて必要ないとか考えてケチるんじゃなかった!!


 クオンが実は女の子だったなんて正直ショックだし驚いた。ただ、これでめげる私じゃないのよ!!

「うふふふふふ・・・性別がなに? クオンが女の子だったなら――・・・私が男になればいいだけじゃない!」

 鏡に向かって一度練習しておく。

「僕、京介。よろしくね? クオコちゃん」

 うんうん、敦賀さん人形で遊んだ経験がこんなところで活かせるなんて良かったわ。高い声なりに少年ヴォイスになってるもの。

「寧ろこれはチャンスだぞ? クオコちゃんが俺に本当の自分を見せてくれたんだから!」



 § § §



「何がいけなかったんだ」

 俺は自室の鏡の前に陣取って、母によく似た面差しの少女を睨み付けながら今日の反省会を行った。

 掴みは上々だったと思う。銀髪の幻想的なカラーチョイスでキョーコの目はまさにハート。俺も内心 拳を握ったものだ。

 しかしお茶を出されて10分弱。戻ってきたのはキョーコではなく自称“京介”君。つまり男装した姿もマジで可愛いキョーコだった。
 クオンに今すぐ戻って男同士(仮)で背徳的なアレコレを楽しみたくなったほどだ。ロリコン(ただしキョーコ限定)どころかショタコン(しつこいようだがキョーコ限定)にも目覚めてしまった。

 しかしながら、『俺がクオコちゃんをエスコートする!』という京介君があまりにも可愛かったため、俺はクオコとして彼(仮)と1日デートをした。
 気分はマダムと若いツバメである。クオコにメロメロの京介君にエスコートされてデートするのは大変有意義な時間だった。

 しかし、である。これでは当初の目的が果たせない。
 キョーコの“初めての同性の友人”になりに来たのに、男女逆転デートではいくら楽しくても目的は達せない。

 だが明日は大丈夫なはずだ。

 京介君に大人の遊びを教えてやれ、という悪魔の囁きを押しのけて作戦行動を優先したのだから。

「明日は女の子同士でデートがしたいなぁ」 と。





 久遠はめげない。なぜなら強靭な精神を持っているから。
 久遠は負けない。なぜなら体を鍛えているから。

 それもこれも、いずれ来る(かもしれない)終生のライバルとの決戦のために。

 久遠は決して諦めないのである。



目次 
ここで言う琴南さんはキョーコに愛される女友達の象徴的な意味あい。

次回! ませガキS君にクオコの魔の手が迫る!!


おまけ クオコちゃんと京介君のデート

京介「クオコちゃん、そこ段差あるから気をつけてね?」
クオ「ふふ・・・京介君は私のナイト様ね」
京介「///」

クオ「京介君、ほっぺにクリームついてるよ? かわいい」(ぺろ)
京介「!? か、かかか、可愛いのはクオコちゃんだよ///」

京介「オレ、たくさん食べて大きくなって、クオコちゃんを守れる男になるから!」
クオ(キュンッ)「ありがとう、うれしい! ところで京介君、お姉さんと大人のあそび――ゲホゴホ」
京介「クオコちゃん、大丈夫?」(さすりさすり)

デートは最初から最後までこの調子でした。

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Author:常葉(トキワ)

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度々細かな変更はありますが、温かく見守って頂けると幸いです。

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