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完璧な人生の歩み方~夢で願った夢みたいなこと~

2011.04.23.12:01

(改)



(Side:キョーコ)

前世とも言えるその昔。私は夢に見るほど願っていた。
金色の妖精が私の隣で微笑んでいる世界を。




げ~っ。
嫌な奴に捕まった。私がそう思ったとしても仕方のないことだと思うのよ。

明日はグランパとグランマ(もちろんクオンの。でも私もそう呼んで、って言って下さったの!)のお家にお泊りする日。
だからクオンにあの優しい笑顔で『可愛いね』って言ってもらいたくて可愛い寝間着を買いに来たの。
…しかし、その真の目的は! 幼女特有のぷにぷにもちもちお肌をアピールしてクオンがその辺の年上美人のお姉さんに唆されたりしないようにする、という超・重要な買い物なのよ!!

と言う訳でクオンのことを思いながら楽しく、そして真剣に、可愛らしさと適度な露出を備えた服を探しに来たのに!!

「キョーコ、お前も服買いに来たんだな」
「見ればわかるでしょ! 不破君、手を放してくれない?」

運悪く遭遇してしまった不破君(こいつの呼び名は不破君で過不足なしよ。前はともかく今生では腐れ縁だってごめんだもの)は例のごとく絡んできた。
不破君の手が私の腕をガッチリと掴んでいる。子供の握力だから跡が残ったりはしないだろうけれど、結構痛い。

子供の頃のこいつってこんなだったかしら? 私のものをとるか私に面倒を押し付けるか以外でこいつから私に近づく事なんて無かったと思うんだけど。

「んだよ、キョーコのくせに。オレがお前に似合う服選んでやるから、お前もオレの選べよ」
「なんでそんな事しなくちゃならないの。結構よ。お断りなのよ。不破君。」

私のテンションは下がりっぱなしだ。良くも悪くも前世と今とではこいつの私に対する態度は違う。しかしその性根というのはそこまで食い違っているとは思えない。
だからこそこういうやり取りをするにつけ、前世の自分がどれだけ追い詰められていたのかが分かる。こんなやつを王子様だと思うんだから。

まあ今はそんな黒歴史は無かったことになったのだから万々歳だ。私の乙女心としては最初から最後まで心も体もクオン一筋がいいもの。このことに関しては前世なんて関係ないと白を切りましょ、そうしましょ。

なにやら不破君はごちゃごちゃと煩いけど手を話してくれないので、別のことを考えることにする。
失礼な対応だとは思うけど、こいつだって私のことなんて本当は見えてないんだから私が余所事を考えたっていいじゃない。

そもそも私って前世のとき本当にこいつのことを好きだったのかしら? あの頃の私がる夢には、目の前の不破君よりコーンが出てくる方が圧倒的に多かった。
これってよくよく考えてみるとまるでコーンに恋してたみたいじゃない。
あら! もしもそうなら私の前世の最大の汚点が消えるんじゃない? 黒歴史は黒歴史だけど。

などと考えていた時だ。

「何してはるん? 松?」

意外と早く保護者が来てくれた。でもそれもそうよね。ここが子供服売り場の片隅であってもあれだけ騒いでたんだもの。不破君だけだけど。

「あら、キョーコちゃんやあらへんか」
「お久しぶりです。不破の叔母様。私この後急ぎの用がありますので、もう行きますね。不破君、放してくれる?」

ニコニコと会釈をしながら、挨拶と同時に辞去の句を述べる。
不破の叔母様も捕まると長いのだけれど、大人は分別があっていい。こう言えば引きとめたりしないのだから。
そしてこいつも母親の手前、用があると言っている人間の腕をいつまでも掴んではいられない。私は手が緩んだところでサッと離れた。

「では、失礼しますね」



結局先ほどの店では服を選べなかったけれど、ここで諦めるわけにはいかない。何と言っても(私がもらう予定の)クオンの貞操がかかっているんだから。

私は成長途中の短い脚で次の目的地へと向かった。当然洋服店である。

…私って、前世でそんなに良い行いなんてしたかしら?

思わずそんな事を考えた。だってその店にはクオンがいたんだから!
私が気づいて駆けだす時にはクオンもこちらに向かって駆けてきていた。

「クオン! どうしたの? もしかして、昨日言っていた用事ってお買いもの?」
「キョーコ! そうだよ。キョーコちゃんも服を買いに来たんだ。どうせなら一緒にくればよかったね?」
「そうね、でも嬉しいわ!! 今日クオンに会えるのは午後からだと思っていたから」
「俺もだよ。男の買い物に付き合わせるなんて悪いと思ったんだけど、誘うだけ誘えばよかったなぁ」

店に入ってすぐ脇にあるベンチに腰を降ろしながら話をした。クオンの隣には既に買い物を済ませていたのだろう。袋が置いてある。

「クオンはもう買い物を済ませてるのよね? あのね、もしこの後用事がないなら、よかったら、私のお買い物に付き合ってくれる?」

厚かましいかしら、嫌な顔されないかしら。でも出来ればクオンの好みをリサーチしたい。



私は夏祭りの時のお泊りで、まだ秘密になる前の秘密を知ってしまった。
クオンの未来は多分…ううん、間違いなく『敦賀さん』だ。

クオンに会ってからこっち、ずっとドキドキしっぱなしで、その度に私は『敦賀さん』を好きになるんだって言い聞かせた。だからクオンはお友達として好きなのよって、何度も何度も言い聞かせて、でも上手くいかなくて、内心すごく悩んだ。

でも蓋を開けてみればそのクオンこそ敦賀さんだった。

これはもう天啓だとしか思えない。

最上キョーコ6歳の夏、ここまで天の采配が振るわれているのなら、もうとことんどん欲になってしまおうと決意しました。

前世敦賀さんは百戦錬磨で経験豊富そうだったけど、今のクオンは多分まだ真っ白だものね? 
な・ら・ば――あなたの初めて、この、最上キョーコが頂きます!!

この目標を達するためには急がねばならない。
多分クオンは私のことを妹みたいに思っているから。早く彼の中で『女の子』に昇格しなければいけない。
彼があの天然遊び人ぶりで次々と世の女性たちを落として行く前に!!



私のお願いをクオンは快く引き受けてくれた。

「喜んで! 俺を君のナイトに選んでくれて嬉しいよ」

と、キザな(そしてよく似合う)台詞と、神々しいまでのあの頬笑み付きで。
もし前世の敦賀さんの子供時代もこんなのだったなら、あの遊び人疑惑を掛けずにはいられない手慣れぶりも頷けるわ。

全く、天然たらしなんだから!!

それはさておき、現在。目的の売り場でクオンの好みリサーチ開始よ。

「ね、クオンはどんなのが似合うと思う? お泊りの時に着る寝間着なんだけど…」
「キョーコは何を着ても似合うから迷うね――これなんてどう?」
「わ、可愛い!! でも…私の好みだけど、クオンは子供っぽいとか思わない?」

その服は本当に可愛かった。兎のアップリケも優しいピンク色も白いレースのひらひらも。昔は値段重視で選んでいたから、実はこういう“子供らしい子供服”にも憧れがある。でも今回の買い物の目的は自己満足じゃないのよ。

「どうして? キョーコの可愛らしさと可憐さの引き立ついい服だと思うよ?」
「本当に? 私、もっとクオンに可愛いて思われたい…」

前世でたくさんの人が私は磨けば光るって言ってくれた。でも今の私はちゃんと自分で自分のことを磨けてる?
ふと昔のことを思い出したせいで、前世譲りの卑屈な自分が顔を出してしまった。

きゅ、とクオンの服の裾を握る。するとクオンの腕がのびてきて彼の胸に引き寄せられた。
頬に、おでこに、クオンのキスが降ってくる。

でたーーーー!!

内心、叫び声を上げる。
このクオンのキス攻撃は出会ったその日から始まり、第二次性徴なんてまだ始まっていないはずの6歳児の私をクラクラさせ続けている。唇チュー事件のあとは控えてると思ったのに!

いつも突然だから、身構えることもできない。

「キョーコは世界で一番可愛いよ!! これ以上俺をメロメロにしてどうする気?」
「ぁ、ぅう~~」

『惚れさせる気です!!』

とは流石に言えない。

けれどできればメロメロになるなら犬猫や妹ポジションではなく女の子として、にして欲しいものだわ。

ふにゃふにゃになりながらも何とか服を選び(こっそり下着も買った)終えたあとはグランパ・グランマの家に寄った。私は自分の祖父母のことをなにも知らないから、私のことをクオンと同じように可愛がってくれる二人が大好きだ。
二人と少しお話した後は、荷物をお家に置いておかせて頂いて、クオンといつもの森に行くことにした。


森はもう二人の庭だ。花畑も、巨大な木も、動物たちの住処も、魚の沢山いる場所も、急勾配になっていて危ない斜面も、二人でもうすっかり探検して把握した。

そんな森の木陰で、私はクオンに抱き上げられながら天国を満喫している。

いい匂い。幸せだわ~。

本当はこんな風にまったりフヤケていないでクオンを口説きたいのに。その思いとは裏腹に、私は方向性が分からずに足踏みしていた。

嫌われているなら好かれるように努力すればいいけれど、既に好かれていて、その“好き”の種類を変えてもらいたいなら如何すればいいのだろうか。
自分を磨く方法は前世から導き出せるけれど、こればっかりは知識に無い。

なんで恋愛拒否症になんてなっちゃったのよ私は! 本当は昔からコーンが好きだったのに!

自業自得だけれど本当に悔やまれる。
けれど、前世の記憶をしかと持っているからこそ分かることもある。たとえばこの腕の中の価値だとか。

行かないでと泣いたあの日の切なさは、死という眠りから覚めた今も胸にある。
褪せない幸福の思い出を胸に抱いて、青い石に心を支えられ、夢に見るほど願ったのは隣に彼がいることだ。

私を抱きしめるクオンの碧い瞳をこっそりと見上げた。

届かない夢だった。夢でしか叶わない、夢みたいなことだった。
それなのに、その夢はもはや夢ではないのだ。だって、叶っているんだから。

前世の自分は他に何を願っただろうか。繰り返し夢見たのはコーンと楽しく過ごす日常だけれど…

たくさん話を聞いてあげればよかった。

他には?

――――大好きって、伝えたかった。

私はかつて、ショーちゃんが好きと言っていた手前、伝えられなかった言葉を思い出した。

「クオン、クオン!!」

お互いにひっつきあってまったりしていたのだけれど、私は思い立って彼に声をかける。

「うん? なぁに?」

眩しい彼の頬笑みに負けないくらいの笑顔で伝えたい。
あの日、伝えられなかった言葉を。

あのね、私ね

「クオン、大好き!!」

応えは本日2度目のキスの雨だった。




目次

≪おまけ≫

洋服店にてクオンの内心

「ね、クオンはどんなのが似合うと思う? お泊りの時に着る寝間着なんだけど…」
を受けて
(え? 俺が選んでいいの? しかも泊りの時のってことは俺、見られるんだよね? 夏だしちょっと露出多くても問題なし? むしろ6歳なら下着でもいいんじゃ……駄目だ俺! 10歳にして犯罪者になる気か!? …でも撫でるくらいならいいって、どこかの世界の社長が――――)

笑顔の裏で悶々とするクオン君。You言っちゃいなよ★キョーコは受け入れO.K.だよ!!


「キョーコは世界で一番可愛いよ!! これ以上俺をメロメロにしてどうする気?」
と言いながら
(襲わせる気!? 犯罪者にさせる気!? この天然小悪魔幼女は……6歳児ってどこまでなら許されるんだ!?)

おっきいお兄ちゃんがやるとアウトだけど、10歳児がやるなら大概はセーフだと思うよ。両想いだしね。


森にてキョーコを抱っこするクオンの内心
(どうしてくれよう、この幼女は!!! 俺のことお兄ちゃんみたいにしか思っていない癖に!! なんでそんな恍惚とした顔で男の膝の上に乗るかな!? 俺の理性を、いや人間性を試しているのか!!?)



絶対に落とす気であるがゆえに、確信を持てるまで『恋心』を打ち明けない二人。
彼らが相手の気持ちに気がつく日は来るのだろうか・・・・。
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