スポンサーサイト

--.--.--.--:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

web拍手 by FC2

鏡の国のぼくら プロローグ

2011.05.11.06:00

(改)


プロローグ:魔法の鏡が言ったんだ





「あなた、妖精!?」

 俺たちの本当の子供時代は、君のこの言葉で幕を開けた。



 例えば、俺の傍だけが彼女の泣き場所であったように、俺にとっても彼女の傍は“理想の自分”でいられる唯一の場所だった。

 父親に憧れ、夢に手を伸ばすことに必死だった。

 誰から認められずとも、自分だけは自分の才をそして努力を信じてきた。
 才を疑うのは両親への侮辱だ。努力を疑うのは自分への裏切りだ。
 繰り返される不愉快な言葉と眼差しに、その信念すらも何時しか脆い張りぼての虚勢へと変わっていったけれど。

 でも、彼女が現れた。キョーコちゃんが。
 彼女の可愛らしい勘違いから始まった俺の演技は、泣いている一人の少女に笑顔をもたらすことが出来た。

 たとえ『ショーちゃん』で笑顔になるのだとしても、出来ればそんなものには頼りたくないと必死になって彼女を笑わせる方法を考えて。

 彼女はそんな想いを知るよしもないのに、俺の演じる妖精へ最大の賛辞と笑顔そして本物の涙をくれた。

 キョーコちゃんが喜ぶ妖精の王子様。
 ――――“それ”は彼女が俺に求めた理想の存在だった筈なのに、気がつけば俺自身の理想へと変わっていた。

 幼い彼女は俺に目指すべき道を示してくれた。
 そしてそれは今も変わらない。

 彼女が俺に傾ける尊敬は、時に苦しい先輩の枠である筈なのに、同時に彼女の理想通りの人間になりたいと、そういう存在でありたいと思う勇気をくれた。

 罪人であることを、変えられない事実として受け入れていた。そして諦めていた。
 そんな俺を彼女は希望の光で照らしてくれたんだ。

 君に何かを返したい。心の底から思っているのに、俺は君の『先輩』でしかないから、出来ることはあまりにも限られている。

 そうであるなら、せめて。

 俺は鏡になりたい。君がその笑顔でもって希望を映して見せてくれたように。俺は君に君の本当の姿を映して見せたい。

 君が思うよりもずっと、君は愛されているのだと。君はもっと愛を望んでいいのだと。

 そして、出来るならいつか――――






目次 進む

関連記事
web拍手 by FC2

comment

Secret

管理人のみ閲覧できます

2015.05.07.16:54

このコメントは管理人のみ閲覧できます
※サイト案内※
●当サイトにはスキビの考察および二次創作文が展示されています。それに伴い、展示物には性描写・暴力表現を含まれるものがあります。
●取り扱いカップリングは蓮×キョーコ、傾向は「両片想い」「ハッピーエンド」です。
●また、管理人は考察上、あるいは二次創作文中の設定上、登場人物に対し批判的、否定的な扱いをする場合があります。
●作中のあらゆる事項はフィクションであり、現実に即さないものが多く含まれます。
※性描写・暴力表現を含む作品は年齢制限を設けていますので、高校生含む18歳未満の方は閲覧しないでください。
最新記事
カテゴリ
絵 (1)
最新コメント
検索フォーム
カウンター
管理人
Author:常葉(トキワ)

どうぞごゆるりとお楽しみ下さいませ。
度々細かな変更はありますが、温かく見守って頂けると幸いです。

バナーとか作ってみたり。
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。