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嫌いなのには理由がある(後日談)
2011.05.16.06:00
(改)
注意:この記事は『完璧な人生の歩み方/嫌いなのには理由がある』の後日談です。
注意:例によって不破君は可哀そうなポジション、蓮は黒いポジションです。
注意:業界のお話の信憑性はゼロです。
今、日本中の若者が男女関係なく話題にする映画と言えば、敦賀蓮主演の映画『SHOUT』である。
「映画みた~~~!!!?」
「当り前じゃないの!! 見てなかったらファンじゃないって!!」
「蓮の新しい一面……素的すぎるっ~~!」
と話題にするのが女性なら
「めっちゃ本格的!! すげーカッコ良かった!!」
「美系でスマートで嫌味な奴だと思ってたけどさ~、正直今回の映画で惚れたね」
「作詞から作曲まで自分でやったんだろ? プロ根性だよなぁ」
と感想を漏らすのが男性陣である。この映画で敦賀蓮は大幅に男性層のファンを増やした。
『SHOUT』で見せた、今までの『落ち着いた大人の男』と言う印象を覆す、熱い歌声と、共感を呼ぶヒロインとの恋模様が男性層から大いに支持されたのであった。
「京子も良かったよね~」
「ああ! リツ役!」
リツとは京子が演じたヒロインの役名であり、蓮が演じた主人公はシンヤと言う。
「カッコいい生きざまがいいよねぇ、いつも蓮の相手役キライになってたけど、リツはむしろ憧れる?」
「わかるわかる、応援したくなるよね~」
もともと女性ファンの多かった京子だが、この映画で益々ファンを増やしたようだ。
「もう映画のサントラ買った?」
「当り前! 映画観終わってそっこーで買ったよ!!」
「だよねぇ~。でも知ってる? 噂で聞いたんだけどもう少ししたら――――――」
「あ゛~~~うぜーうぜーうぜーーーーーーっ!!!!」
尚はマネージャー祥子の家の私物と言うことで、蹴り飛ばしこそしなかったものの、何度もテーブルを殴りつける。
「そんなにカリカリしないの!映画の公開から結構経ったし、衣装も届いているわ。デビューもすぐそこよ?」
「そんな事言ったってさ~本来ならもうとっくにデビューしてる筈だろ?」
「事務所も貴方には期待しているのよ? でも京都からの固定ファンがいるとはいえ、今デビューした所で映画の話題の影に隠れてしまうわ」
「俺の歌とビジュアルにあの衣装なら映画から話題さらうくらいできるって!!」
だからさっさとデビューさせろと喚く尚に、祥子は小さくため息をつく。ずっと自分のファンだけに囲まれて育った尚には、デビュー前というのもあるのだろう。自分の前に立ちはだかる『敦賀蓮』という壁の大きさがイマイチ分かっていないらしい。
最初こそ年下で自信に満ち溢れた尚が可愛かった祥子だが、常に部屋に入り浸り、我儘放題の彼に些か疲れてきていた。
「そうね。でも事務所の方針には逆らえないし、より貴方への注目を集めるためにはあと少しだけ待たないと」
祥子は一度息を吐き、尚をなだめにかかった。
「お、不破君頑張ってるみたいだね~」
局のロビーを通りかかった時、ロビーに設置されている大画面に目をやった社が言った。画面には、シースルーの際どいところまで透けた衣装を身に纏い、デビュー曲を歌う不破の姿が映っている。
「ああ、そうみたいですね」
声音は普段と変わらなかったが、何気なく隣の蓮の顔をのぞき見た社はぎょっとした。
「蓮! 顔、顔!!」
慌てて小声で蓮に注意を促す。画面を見る蓮は『敦賀蓮』にあるまじき、害虫でも見るような顔になっていた。
蓮も身に覚えがあったのか、たちまち元通りの温厚紳士になり、懐から携帯電話を取りだした。目を清めなければいけないとばかりにメモリに入っているキョーコの写真を見る。
そうして、その一連の行動などなかったかのように歩き出した。
「社さんは随分と不破さんに友好的なんですね」
蓮は何か訳があるのか、はたまた単に生理的に受け付けないのか、不破を嫌っているらしいと察して社は慌てて弁明した。
「そう言う訳じゃないけど、彼の最初のデビュー話し立ち消えにさせちゃったから多少申し訳なく思ってるだけだぞ? 仕事上の事だから仕方がないけどさ」
それに、と付け足す。
「偶然とはいえ、また彼の邪魔をするようなことになるだろうし…」
そこまで言って、社はハッとした。
「れ、蓮君?」
そこにはいつかの時のように、うっそりとしたドス黒い笑みを浮かべる担当俳優の姿があった。
(ま、まさか計算づくで時期を被らせたのか!?)
「今週のオリコンチャート1位にシンヤの『Shout』がランクインしましたね!! すごいですね~敦賀さん!! 俳優でオリコン1位とか前代未聞ですよ!!」
「そうなんですか? でも俺が凄い訳じゃありませんよ。映画による話題性や宣伝効果あってのものですから」
「いやいや! そんなに謙遜されなくても、この事でも話題騒然じゃないですか!! 作詞作曲までご自分でなされたって!!」
「はは、そうですね。シンヤは自分で作詞作曲をする設定でしたので」
「その道のプロとしか思えないレベルでしたよ」
「ありがとうございます。そう言って頂けるものが完成したのは、シンヤの感性があってこそですが」
「シンヤの感性ですか!! なるほどねぇ、それは確かに役を演じられる敦賀さんが一番その場面にふさわしい曲を作れる訳ですよねぇ」
「ところで、『Shout』は映画のサウンドトラックにも収録されていましたが、今回のCDには特典映像と、もう一曲、リツとのツインヴォーカル曲が収録されているとか」
「ええ、俺と彼女の声って、専門の先生からもお墨付きを頂けるくらいに相性がいいんですよ。シンヤとリツの劇中とはまた違ったバラードになっています」
「そうなんですか~! どうり―――――」
プツッ
「敦賀蓮がオリコン1位って・・・・・・どう言うことだーーーーーーーーーーーっ!!!!!」
尚は楽屋の机を思い切り蹴り飛ばした。
「しょ、尚!!落ち着いて!!」
いつもなら祥子の前でもギリギリ取り繕う仮面をかなぐり捨てて癇癪を起こす。
『Shout』の発売は水曜日ではなかった。尚から1日遅れの木曜だった。
それが、オリコン1位にランクイン入りしたのだ。オリコンには一番有利な水曜にデビュー曲を売り出した不破尚を押しのけて。
尚はアカトキ総力を挙げてのバックアップだったにも拘らず、そのランキングは2位。映画『SHOUT』のDVD及びブルーレイ化決定記念だか何だかで『Shout』の発売さえなければ…。
「DVD化なんぞ・・・・せんでええんじゃボケーーーーーーーーー!!!!!」
デビューシングルでいきなりオリコンランキング二位でありながら、しかし明らかに世間の認知は薄く、新人としては十分でも、打倒敦賀蓮を掲げた尚に納得できた結果ではない。
「ごめんなさい、これは事務所側のリサーチミスだわ・・・・。まさかこのタイミングでCDの発売をしてくるなんて・・・」
祥子は荒れる不破に謝り、なだめるしかできなかった。
この後、特に華々しいといった印象もなくデビューした不破尚だったが、彼は間もなく一躍注目されることとなる。
『敦賀蓮が天敵のアンラッキー歌手』不破尚として。
彼のデビューに纏わる不運の影に、常に『偶然』敦賀蓮が関わっていたためだ。それがどこぞの掲示板で漏れ、真実であったがためにそれは業界にまで広まった。
敦賀蓮をライバル視する不破に周囲は
「敦賀さんはプロ意識が高いだけじゃない」
「運が悪かったのは可哀そうだけど、それを敦賀君の所為にして不破さんて子供ね~」
同情と呆れの視線を向けるのだった。
そんな光景を横目に胃を抑える男が一人。
(皆さん、違うんです。ワザとなんです、蓮の奴はワザと不破君を甚振って楽しんでいるんです)
社はこの秘密を決して誰にも言えない事実と、誰かに告げて楽になりたい気持ちの板挟みにぐったりとなった。
そう言えば先日、不破がキョーコにちょっかいをかけていたことを思い出す。不破の『必然』の不運はこれで更に増えるだろう。
爽やか穏やか紳士的な担当俳優が、真っ黒のあんこがたっぷり詰まった白まんじゅう(必死にオブラートに包んだ表現)だったと気付いてしまった社は対処の仕方も分からず途方に暮れた。
正直なところ、社にもどこまでが偶然で、どこまでが計算なのか分からないのだ。分かりたくもないと言った方が正確かもしれないが。
(だって、もしも、もしもだよ!?『全部』計算だったり『全部』偶然だったら俺怖くて蓮をマネージメントしていく自信ないよ!!)
今日も遠くの空で、社の声なき叫びが響いていた。
目次
キチクオンじゃないよ! 蓮君はただちょっと不破君の顔が生理的に受け付けないだけだよ!
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